お土産にも人気!住吉大社名物・池田屋本舗の住乃江味噌

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海高野線住吉東駅から西に100mほど進んだ場所にあるのが、池田屋本舗です。

周辺がマンションやアパートが建ち並んでいる中で、時間が止まったかのような家屋になっているので、初めて住吉に訪れる人でも迷うことなく辿りつけるでしょう。

池田屋本舗はお土産にも人気の「住乃江味噌」を取り扱っており、ネットでも「美味しい」と評判になっています。

住吉大社から徒歩5分の距離にあるので、お参りついでに立ち寄ってみても良いかもしれません。

今回は住吉で有名なお味噌屋さん、池田屋本舗を取り上げます。

お土産に人気!住吉名物「住乃江味噌」とは?

画像引用元:池田屋本舗公式ページ

池田屋本舗は味噌専門店で、材料は米・大豆・塩と昔ながらの味噌を作り続けています。

名物は「住乃江味噌(すみのえのみそ)」で、味噌の中に砂糖とゴマが入っている「おかず味噌」となっています。

今でこそお土産として人気が高い住乃江味噌ですが、戦後は「味噌は贅沢品」として、味噌の製造が禁じられたことがありました。

当時は物価が10倍以上に跳ね上がり生活が困窮していたこともあり、「贅沢品」の製造は制限されていました。

池田屋本舗にとっては死活問題でしたが、やがて「味噌は贅沢品」から「味噌は日常生活になくてはならないもの」になり見事に復活を遂げます。

そして現在は住吉を代表する郷土品として、地元や住吉に訪れる人達に愛されるようになりました。




戦国時代創業!池田屋本舗の歴史・由来

池田屋本舗が創業したのは1531年(享禄4年)の戦国時代真っ只中ですが、住乃江味噌ができたのは明治に入ってからのことです。

創業当時(1531年)の住吉は戦の真っ只中(大物崩れ)で、近くの遠里小野にまで戦いが及ぶ大激戦となりました。

戦の最中で店を構えたとなると、池田屋本舗初代店主頭の根性には凄まじいものがあります。

元々は住吉村の庄屋で、1700年前後(元禄年間)からは酒造業を営み、後に味噌作りを手掛けることになりました。

庄屋とは村長のようなもので、関東でいうところの「名主」に該当します。

主な仕事は今で言うところの「役人」にあたり、年貢徴収や村人達の世話係などを承っていました。

住吉村は近世に形成された村で、村域は万代池を中心に住吉大社までに及びます。

なお住吉大社には、1710年(宝永7年)頃に村の安全を祈願して献燈された石灯籠が、現在も残っています。

村は住吉大社を除けば農村地帯となっており、米・麦・綿・菜種などの生産に取りかかっていました。

住吉村は後に新興住宅地や鉄道の開発も相まって農業は衰退し、大正時代に入ると「住吉区住吉町」と名前を改めました。

味噌だけじゃない!趣のある池田屋本舗の店のこんな見どころ

池田屋本舗のメインは住乃江味噌ですが、店舗は昔ながらの家屋で、風情ある趣となっています。

池田屋本舗の店舗は、「池田屋住宅」として1999年に登録有形文化財に登録されているほど、貴重な建物です。

そこで人気お土産の味噌以外にもチェックしておきたい、池田屋本舗の店舗の見どころについて紹介しましょう。




屋根の上の高灯籠

池田屋本舗の屋根の上に高燈籠が建っており、店の目印として多くの人に親しまれています。

店の屋根に高燈籠を建てた理由は、池田屋本舗の店主いわく、「建て替えられた高燈籠には風情がない」からだそうです。

住吉高灯籠は住吉公園西側26号線沿いに建てられていますが、現在の高燈籠は昭和に入って再建されたものです。

再建された高燈籠は細部まで忠実に再現されたものの、鉄筋コンクリート造りで、何もかも昔と全く同じという訳ではありません。

昔とは姿を変えた住吉高灯籠に「風情がなくなった」と感じた池田屋本舗店主は、店の屋根に昔と全く同じ高燈籠を作り上げました。

店にある高燈籠は26号線沿いにある高燈籠よりも緻密に再現されているので、大昔の高灯籠そのままの姿を見ることができます。

鬼をやっつける鍾馗の像

池田屋の看板と虫籠窓(むしこまど)の間に、鍾馗(しょうき)の像が飾られています。

鍾馗とは中国の神様ですが、長いヒゲと剣を携えて大きな目で睨みつけており、少々怖い風体が特徴です。

でも悪い神様ではなく、鬼をやっつけてくれる守り神です。

日本に鍾馗がやってきた時期はハッキリしていないものの、平安時代に描かれた絵で確認することができます。

江戸時代に入ると「魔除け」として、民家の屋根先に鍾馗の像を置くようになりました。

現在でも京都の町家で鍾馗像が飾られているのを見ることはできますが、大阪の民家ではほとんど見かけません。

池田屋本舗にある鍾馗像は、大阪で見ることができる珍しい鍾馗像と言えるでしょう。

「うだつが上がらない」でお馴染みのうだつ

池田屋本舗と隣の家にある突き出た壁は「袖うだつ」と呼ばれ、古い日本家屋でよく見かけます。

池田屋本舗の場合は、1階と2階の間を挟むかのように壁が建てられているので、「袖うだつ」とおもわれます。

うだつの種類は他に「本うだつ」がありますが、本うだつの場合は屋根から突き出たような形になり、池田屋本舗にあるうだつとは別物です。

うだつは、隣の家が火事になっても火が燃え移らないようにするための「防火壁」の役割を担っていました。

しかし江戸時代に入ると、防火壁ではなく「財力を示すためのもの」として、次々とお金持ちの家でうだつが建てられるようになりました。

お金持ちでしかうだつを設けることができなかったため、「出世ができない」という意味で「うだつが上がらない」の語源にもなりました。




池田屋本舗の樽と看板

池田屋本舗の正面出入り口横に店にのめり込むような形で置かれている樽と、出入り口に掲げられている看板も要注目です。

樽は元禄年間のものとされているので、おそらく酒造業時代に使われたものでしょう。

看板には、「住の江の 岸による波 よるさへや 夢の通い路 人目よくらむ」の、百人一首の歌が書かれています。

和歌の作者は平安時代の歌人である藤原敏行朝臣(ふじわらのとしゆきあそん)で、切ない恋心を歌い上げた句です。

意味は、「住之江の岸(現在の住之江区)の岸に打ち寄せる波のように貴女に会いたいのに、どうして夢の中ですら会ってくれないのですか」です。

なお池田屋本舗の看板を手掛けたのは墨象家・荻野丹雪で、波を思わせるような書体は見事の一言です。

画像出典:unsplash by Shitota Yuri

荻野丹雪は、世界的な人気を誇るウィスキー「響」のロゴや大河ドラマ「新選組!!」の番組タイトルを手掛けた、有名墨象家です。

池田屋本舗前の熊野街道

池田屋本舗の前に通っているのは、熊野街道です。

平安時代の中頃に盛んに行われた熊野詣を行う道のことで、住吉大社参りにも使われました。

熊野詣は貴族だけでなく庶民の間にも広まりましたが、江戸時代に入ると熊野詣に向かう人の数は少なくなりました。

しかし数は少ないとは言え1年間に1万人は訪れていたとの話なので、そこそこの盛り上がりはあったと思われます。




住乃江味噌は天皇への献上品だった!?

地元の方や観光客のお土産として人気がある住乃江味噌ですが、かつて、明治天皇に仕えていた女官・若菜局を介して送られ、献上品として用いられたことがあります。

若菜局は池田屋本舗の店主の親戚筋にあたる人物という話があるので、明治天皇との繋がりを持つことができたのでしょう。

なお住乃江味噌は明治天皇だけでなく、大正天皇や昭和天皇にも献上されました。

皇室と住吉大社の深い関係

天皇と住吉大社は、住吉大社が歴史に登場してから深い関係にあります。

そもそも住吉大社の鎮座には神功皇后が関係しており、住吉大社第四本宮で祭神として祀られています。

神功皇后は日本史最強の女傑と名高い人物で、自ら兵を率いて三韓征伐へと赴きました。

そして無事に三韓征伐ができたのは住吉の神様のお陰とし、住吉の地に鎮座したのが住吉大社の始まりと言われています。

明治天皇が住吉大社に訪れたのは明治元年の頃で、当時住吉大社の神主であった津守国美の館へ泊まりました。

住吉大社に来られた際に、女官の若菜局から「陛下、私の親戚が近くで味噌屋をしておりますので、一度ご賞味頂けないでしょうか?」と言ったのかもしれません。

そして実際に住乃江味噌を頂戴し気に入ったのか、15年も献上品として使われたのでした。

池田屋本舗の住乃江味噌のお味は?

住乃江味噌を実際に食した人の口コミをまとめると、「シンプル・イズ・ザ・ベスト」です。

味噌とゴマとの相性は抜群で、口に入れた途端に味噌の甘さとゴマの風味が口いっぱいに広がります。

そのまま食べても100点の美味しさですが、熱々のご飯やお酒のアテに食べれば、1000点の美味しさです。

なお池田屋本舗の住乃江味噌は、ネット通販でも取り扱っています。

遠方からお越しで、重い味噌をお土産にするのは大変という場合や、以前お店で買った住之江味噌をリピートしたいという場合には、オンラインショッピングでも、あの人気の味を注文できるというわけです!

池田屋本舗の公式サイトや池田屋公式LINEアカウントから、ご注文ください。

また大阪高島屋(なんば駅すぐ)の地下1階の食料品売場でも住乃江味噌が取り扱われているので、興味があれば購入してみてはいかがでしょうか?

池田屋本舗の住所・営業時間・お問い合わせ先など

  • 住所:大阪市住吉区住吉1丁目9-22
  • 電話番号:06-6671-4845
  • 営業時間:11:00~17:00
  • 定休日:毎週水曜日・日曜日
  • 公式ホームページ: https://ikedaya-miso.raku-uru.jp/

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