生根神社(奥の天神)の歴史(年表)一覧

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生根神社は小さな神社で、場所も少しわかりにくい所にあります。

けれども歴史について探究していくと、住吉大社に負けないほどの魅力あふれる深い歴史が刻み込まれていました。

生根神社(奥の天神)

読み方

いくねじんじゃ・おくのてんじん

創建年

不明。一説には住吉大社よりも前に創建されたと言われています。

主祭神

少彦名命(すくなひこなのみこと)

ご利益

  • 酒造業界発展
  • 医学(薬)の業界の発展
  • 健康長寿
  • 学問向上
例祭日

10月9日

 創建は住吉大社より前

生根神社がいつ頃創建されたのかはわかりませんが、住吉大社ができる前から鎮座されていたという話があります。

住吉大社が創建されたのは211年(神宮皇后摂生11年)とされているので、もし真実ならば211年より前から生根神社は存在していたということになります。

形式としては今のように拝殿を構えて拝むスタイルではなく、御神体に祭壇を構えてお祈りしていたと思われます。




 平安時代の生根神社(奥の天神)

生根神社(奥の天神)は、平安時代の法律をまとめた書物「新抄格勅符抄(しんしょうきゃくちょくふしょう)」に登場します。

「新抄格勅符抄」によると、「生根神社は神戸(かんべ)として大和国から1戸充てる」とのことです。

神戸とは神社で祭祀を実施するために充てられた人員のことで、租庸調(税金のこと)を集めて、神社の修繕や改築に取り掛かりました。

また平安時代の法令集「延喜式(えんぎしき)」では、生根神社は朝廷から神様への授かりものを預かったとの記述が見られます。

なお住吉の地域密着神社から税金や朝廷御用達の神社に変わった理由は、定かではありません。

 戦国時代の生根神社(奥の天神)

1482年(文明14年)には、生根神社境内に天満宮が祀られました。

この天満宮が住吉大社にある大海神社の億にあるということから、「奥の天神」と呼ばれるようになりました。

なぜ生根神社に天満宮が祀られたのかは定かではないものの、一節によると主祭神である少彦名命の別称だからと言われています。

少彦名命が大国主と共に国造りに参加する際、天乃羅摩船(あめのかがみのふね)に乗って現れたことから「沖の天津神(あまつかみ)」と呼ばれました。

大阪では天満宮のことを「天神さん(てんじんさん)」とも呼びます。

こじつけ感があるのは否めませんが、天津は「てんじん」とも読めなくもありません。

「天津=天神さん=天満宮」だから、天満宮が境内に建てられたのでしょう。

生根神社の本殿が造営されたのは、1596年~1615年頃です。

本殿は、戦国時代に豊臣秀吉の忠臣だった片桐且元(かたぎりかつもと)が、秀吉の側室である淀君のために寄進されました。

片桐且元が生根神社に御本殿を寄進した理由は定かではないものの、淀君の信仰の熱さを察知していたからでしょう。

豊臣家は住吉大社に崇敬しており、特に淀君の信仰ぶりは群を抜いていたかと思われます。

淀君の信仰ぶりの熱さは、現在も残っている住吉大社の反橋石舞台が証明しています。

住吉大社の反橋と石舞台は、秀頼の成長を祈願するために、淀君が奉納したものなんだそうです。

片桐且元は、淀君の熱過ぎる信仰っぷりを察知して「彼女のために住吉大社近くの生根神社に御本殿を寄進しよう」と、考えたのかもしれません。

片桐且元は豊臣秀吉に仕えていた武将ですが、後に豊臣家から徳川家に寝返り徳川天下統一の手助けをおこなった人物です。

ただ本当に豊臣家を見限っていたのなら、淀君の熱い信仰を察知して神社の本殿を寄進するでしょうか?

もしかしたら「裏切った」のではなく、裏切られるように徳川に操作されていたのかもしれません。

 江戸時代に住吉大社の摂社になった生根神社(奥の天神)

江戸時代になると、生根神社は住吉大社の摂社になりました。

創建当初の生根神社は、住吉の郷社として地元民に親しまれてきました。

郷社とは神社につけられた社格のことで、1番上の社格である「府県社」の次の位につきます。

しかし江戸時代に入ってからは住吉大社の摂社、つまり「住吉大社付きの神社」の形になりました。

生根神社(奥の天神)が住吉大社から分離独立したのは、1872年(明治5年)になってからのことです。

1907年(明治40年頃)になると、塞神社(さやり)・龍王神社・種貸神社(たねかし)が生根神社境内に移築され、現在も参拝することができます。

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