住吉大社・末社「種貸社」【初辰まいり巡拝社】

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住吉大社・末社「種貸社」【初辰まいり巡拝社】

読み方

  • たねかししゃ

※「たねがし」ではなく、「たねかし」と読みます。

創建年

  • 詳しい創建年は不明
建築様式(造り)

  • 木造平屋、入母屋造・平入
御祭神

  • 倉稲魂命(ウガノミタマノミコト)
例祭日

  • 4月9日

住吉大社「種貸社」の歴史(由来)と御祭神・ご利益

住吉大社の境内に位置する「種貸社(たねかししゃ)」は住吉大社の末社の中でも人気の高いお社です。

どのような神様なのか、また、そのご利益をご紹介します。

種貸社の歴史(由来)

大社の境内にあり、御祭神と関係のある神社や崇敬している人が境内に招いた神社など、本殿以外の社のことを「末社」と言います。

種貸社(たねかししゃ)は、住吉大社にある末社の1つで、元々は大阪市住吉区中居町にありましたが、16世紀に火事があったため、住吉大社に移設されました。

また、種貸社の御祭神倉稲魂命は、元々、住吉大社に神饌(神様の食事)を持っていく役割を担っていた神だったことから、移設先に住吉大社が選ばれたという経緯もあります。

つまり、一緒にご飯を食べていた仲良しの神様だったから住吉大社に移設したと考えられています。

種貸社の御祭神とご利益

元々、種貸社の御祭神は「多米社(ためしゃ)」と呼ばれていたお社に鎮座されていました。

このお社は、大阪市住吉区長居に跡地があります。

平安時代頃の成立と考えられる『住吉大社神代記』(住吉大社に伝わる古典籍)の「子神」に「多米神」ともあり、古くから住吉大社と関係が深かったようです。

多米神の由来は、『新撰姓氏録(しんせんしょうじろく)』(815年、弘仁6年)に「神魂命(かみむすびのみこと)の五世孫であり、天比和志命(あめのひわしのみこと)の後の姿」とも言われている「多米連(ためむらじ)」という方が見え、この氏族が祖神を祀ったものと思われます。

この氏族は成務天皇の御代に宮中の食料を司る大炊寮(おおいりょう、おおいのつかさ)に仕え、その飯が大変美味であったのでこの名を賜ったとされています。

その後、「苗見社(なえみのやしろ)」又は「種貸社」と称し、1655年(明暦元年)に住吉大社へ遷座して現在の種貸社として祀られている一方、1908年(明治41年)に神須牟地(かみすむち・かみすむぢ)神社に合祀されたとも伝えられています。

住吉大社への遷座後も、同地での祭祀が再開されたのかもしれません。

その多米連の祖神とされる神様は、倉稲魂命(ウガノミタマノミコト/ウカノミタマノミコト)と呼ばれています。

稲魂命は、穀物の神様であり、農耕・商工業の神様として各地の稲荷神社で祀られ、「稲荷神(お稲荷様)」として親しまれている神様です。

元々は、種貸や多米と呼ばれるように、「種子」が多く増えるというご利益から農作物の豊作を祈る五穀豊穣の神様でしたが、後に、商売の元手や元本などの資金調達や知恵を授かる商売繁盛や資本充実・知恵の神様として、そして、「種(子ども)」を授ける子宝の神様としても崇められています。




住吉大社「初辰まいり」とは

毎月最初の「辰の日」に境内・境外にある4つのお社(種貸社、楠珺社、浅澤社、大歳社)を参拝する「初辰(はったつ)まいり」は、あらゆる「発達」を祈願する、つまり、住吉大社で最大限のご利益を得られる日とされ、境内は参拝者で大変賑わいます。

種貸社は、4社の中でも最初に参拝すると良いとされる神社です。

住吉大社「種貸社」の種貸人形とは?「授与場所・初穂料(値段)・ご利益」

種貸社では、子宝にご利益があると言われる、種貸人形と呼ばれる土人形を授かることが出来ます。

種貸人形とはどんなものか、授与場所や初穂料(値段)、そしてご利益などを詳しくご紹介します。

種貸人形の授与場所

  • 種貸社入口そばの授与所
種貸人形の初穂料(値段)

  • 子宝祈願セット2,000円

種貸人形は、優しい女性が赤ちゃんを抱いている姿にかたどった土人形です。

初穂料の2000円をお納めすると、子宝祈願セットを授かることができます。

このセットには、お守り、種貸社絵馬、種貸人形が同封されています。

種貸人形のみを授かることも出来ますが、子宝祈願に参拝の際は必ず手にして欲しいセットです。

種貸人形のご利益

  • 子授け・子宝

種貸人形のご利益は、先にもご紹介しているように子授け・子宝です。

実は、あの一寸法師も、住吉大社で子宝祈願をしたことで授かった子どもとされています。

このように、古くから子授けの神様として篤く信仰されてきた種貸社で子宝祈願をするのであれば、一層のご利益が頂けるよう、初辰まいりの日をお勧めします。

そして、社頭で種貸社のお守りとして名高い、子宝祈願セットをお受けしましょう。

種貸人形の置き場所(飾る場所)

種貸人形は自宅に持ち帰り、大切に保管しましょう。

夫婦が共に過ごす寝室やリビングに置くと良いと授与の際に助言を頂いた方もいらっしゃるようです。

種貸人形で願いが叶ったら?~お礼参り・人形返納の方法~

めでたくお子さまを授かった際は、お礼参りと共に種貸人形を種貸社に返納します。

人形には生まれた子の名前と生年月日を背中に書き納めます。

殿内には、子を授かった方が奉納した種貸人形が喜びの数だけ奉納されています。

返納された種貸人形

種貸人形をお返しするスペースには、真ん中に大きな種貸人形が祀られています。

住吉大社「種貸社」のその他のお守り・御朱印

 

種貸社では先ほどご紹介した子宝セットの他、ご祈祷すると「願いの種」として、「お種銭」を授かることが出来ます。

これを商売などの元手に加えて、資金が充実するようにと祈願をします。

他にも、資本・智恵・子宝にご利益のある、種貸社紙札や、金運上昇、資本金守護のご利益がある種銭守、初辰日や例祭日には御朱印も頂けます。

安産子まもり(1,000円)は、安産祈願のお下がりとしても授与されていますが、種貸人形の返納所と同じ場所に返納用の棚が設けられており、無事に出産を終えた方が、お礼参りの際に返納しています。




種貸社のお守り「お種銭」の授与日・授与場所・ご利益

農作物の豊作を祈る五穀豊穣の神様である種貸社の神様は、稲種が多くの稲を実らせるように、商売をすれば、お金が増殖繁栄すると言われています。

子宝祈願には種貸人形を授かるように、お金の発達には「お種銭」を授かると良いとされています。

神から授かった「お種銭」を資本に加えて商売をすると商売繁盛のご利益があると言われている「お種銭」はいつ、どこで頂けるのでしょうか?

ご利益と共にご紹介します。

「お種銭」の授与日

  • 初辰参りの日(月に1度の初辰の日)
「お種銭」の授与場所

  • お種銭は種貸社でお祓いをしないと授かれません。

※ご祈祷料は1100円です。

「お種銭」のご利益

資本充実、商売繁盛、金運上昇など

ご祈祷した「お種銭(おたねせん)」を授かり、これを商売などの元手に加えて、資本充実の祈願をすると、資金調達が上手く回るという商売を繁盛のご利益として名高いお種銭ですが、商売をする方だけではなく、幅広いご利益が期待できます。

風水では財布の中に入れておくと、財布に金運がつき、金運が上がると言われています。

授かれる日が限られているだけあって「一度授かれば一生お金に困らない」とまで言われている位、ご利益があるそうです。

もし、ご利益を感じた場合にはお礼参りもお忘れなく。

お礼参りを怠れば、得た富が泡のように消えてしまうようですよ。

ちなみに、お種銭には、「このお種銭をお借りして、商売の資本に加えますと、大神様のお陰によって一粒のお米が万倍になるように、益々 商売が反映いたします。常に報恩感謝の念をもって商売に励んでください。」と書かれています。

感謝の心が大切なのですね

【限定】種貸社の御朱印

通常、御朱印を授与されていない種貸社ですが、限られた時期に授与して頂けます。

受付日は月に1回の初辰日と、4月9日の例祭日。

「本社受付(御垣外)」にて受けつけており、和紙に書いた御朱印を頂けます。

初穂料は500円です。

 

住吉大社「種貸社」の特徴・見どころ

住吉大社の境内にある種貸社に訪れると、白くて綺麗なお社に驚きます。

種貸社はどんなお社なのかご紹介します。

社殿(本殿)

初辰まいりの日には、社殿内で祈祷が行われます。

普段から、開いていれば、内部を見学することができます。

内部には、崇敬者から奉納された人形や「神鏡」などが安置されています。

一寸法師や「種」、米俵などがあります。
奉納された3つの「神鏡」が、正面奥に祀られています。




一寸法師

既にご紹介しましたが、住吉大社は一寸法師の物語発祥の地とされており、種貸社境内では、一寸法師にまつわるものが随所に見られます。

お椀と顔出しパネル

見渡すと大きなお椀もあり、一寸法師発祥の地として顔出しパネルがあり、説明文も添えられています。

手水鉢

鳥居をくぐり、手水鉢を見ると縁のある一寸法師がお出迎えしてくれます。

なんと、手水が出てくる水に一寸法師がお椀に乗り浮かんでいます。

灯篭

灯篭にも打ち出の小槌がデザインされています。

百度石

拝殿の前には百度参りをする際の標識になる「百度石(ひゃくどいし)」があります。

「百度参り」とは?

お百度(おひゃくど)とも言われ、願(がん)をかけて、境内の一定距離の間を、百度往復して、そのたびに礼拝することです。

祈願の内容は人それぞれですが、特に内容が切実な場合、1度の参拝ではなく何度も参拝することで心願成就するようにと願ったものです。

元々は、百日間毎日参拝する(百日詣)が主流でしたが、百日もかけていられない急を要する祈願を1日に百度参るという形で百日詣の代わりとするようになったことが始まりです。

種貸社の「百度参り」の目安となる百度石は、拝殿の前にいる狛犬の少し手前にあります。

お百度は通常、参道の入口から本堂までの間を往復します。

百度石があればそこを基点として、本堂までを往復します。

何度参ったのか回数を間違えないように、小石やこよりなどを百個用意しておいて、参拝のたびに拝殿・本堂に1個ずつ置きながら数えるのがポピュラーです。

百度参りは人に見られないように行うとか、裸足で行った方がより効果があるなどとも言われます。

種貸社の「百度参り」の目安となる百度石は、拝殿の前にいる狛犬の少し手前にあります。

また拝殿前には、目印となる「御百度踏石」があります。

一粒万倍

一粒万倍(いちりゅうまんばい)とは、1粒の籾(もみ)が万倍にも実る稲穂になるという意味です。

「種」が増えるご利益を望める種貸社では、この言葉が大きく書いてある提灯や燈籠などに出会うことが出来ます。

五穀豊穣の神様ならではの言葉です。

賽銭箱にも「一粒万倍」の文字が見えます。




親子狛犬

子宝神社ならではの、狛犬が狛犬の子供を乗せた親子狛犬が鎮座しています。

境内社「兒安社・海士子社」

 

↑向かって左が兒安社、右が海士子社↑

兒安社

種貸社の境内にはさらに2つのお社があります。

その1つ兒安社(こやすしゃ)の御祭神は興台産霊神(こごとむすびのかみ)です。

子育て、縁結び、鈴生り、子孫繁栄のご神徳がある成長の神様です。

社殿前には、百度参りの目印になる、「御百度踏石」があります。

海士子社

境内もう1つのお社にお祀りされている海士子社(あまごしゃ)の御祭神は鵜茅葺不合尊(うがやふきあえずのみこと)です。

芽生え、良縁、安産、ひらめきのご神徳がある芽生えの神様です。

こちらにも、社殿前には、「御百度踏石」があります。

住吉大社「種貸社」の場所

画像引用元:住吉大社

住吉大社の鳥居をくぐり、渡るだけでお祓いになると言われる赤い太鼓橋(反橋)を渡りましょう。

その後、左手奥に進むと種貸社が見えてきますが、それぞれ願意に合わせてお参りの仕方が変わります。

住吉大社のHPにモデルコースが掲載されているので、より一層のご利益をお受けしたい方はそちらをご覧ください。

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