住吉大社・末社「侍者社」で縁結び・夫婦円満祈願!
読み方
- おもとしゃ
非常に読みにくい名前ですが、「侍」に「者」で「じしゃ」・・ではなく、「おもと」と読みます!
造営年
- 1822年(文政5年) ※本殿、社拝所・神饌所
再建(改修)年
- 1930年(昭和5年) ※拝所・神饌所
主祭神
- 田裳見宿禰 (たもみのすくね)
- 市姫命 (いちひめのみこと)
例祭
- 3月5日
※国指定登録有形文化財
「侍者社」の激レアな限定御朱印
侍者社について色々とご説明する前に、気になる御朱印をご紹介します。
住吉大社では、毎日授与されているものから年に一度のものまで、多数の御朱印が用意されています。
その中で、侍者社の御朱印は、例祭日の3月5日のみ、つまり年に1日のみ授与される、激レアな限定御朱印となっています。
- 授与日:毎年3月5日
- 授与時間:9時~17時
- 授与場所:本社受付(御朱印授与所)
※お守りの授与所は御垣内、御朱印所は御垣外にあります※ - 初穂料(値段):500円
【期間限定の御朱印があった!】住吉大社の御朱印の「種類・初穂料(値段)・授与場所・授与時間・御朱印など」
「侍者社」の歴史(由来)と御祭神・ご利益
侍者社に祀られているのは、住吉大社で代々神主(宮司)を務める一族である津守氏(つもりうじ)の祖で、神功皇后の御委任により住吉大社の初代神主となった田裳見宿禰と、その姫神(妻)です。

侍者社は、末社の筆頭として祭祀が行われる、大変重要なお社です。
住吉大社には、住吉大神にお供えする神饌(しんせん:神に供える酒や食べ物)を、神前にお出しする前に侍者社の御祭神に検視していただき、その後に本宮へ持っていくという「侍者先祭」の習わしがあります。
名称については、住吉大神の傍らにお祀りするということから、「侍者(おもと)」と称したと考えられます。
侍者社は、神と人との間に入り、両者を結ぶ役を担う神主であった御祭神にちなみ、現在では、広い意味での縁結びの神として信仰されています。
また、夫婦の御祭神をお祀りしていることから、夫婦円満祈願もできます。
「侍者社」で縁結び・夫婦円満祈願!「おもと人形」と「裸雛」とは?
ご紹介した通り、侍者社には大きくわけて「縁結び(良縁)」と「夫婦円満」の2つのご利益があると言われています。
これらについての祈願を行うための、ユニークなアイテムが授与されているので、ご紹介します。
縁結びなら「おもと人形」
まず、縁結び祈願に使うのは、「おもと人形」と呼ばれる土人形です。
描かれているのが御祭神夫婦でしょうか。
男女が仲良く並んで立っています。
- おもと人形の初穂料(値段):1,000円
夫婦円満祈願なら「裸雛」
夫婦円満祈願の際には、「裸雛」を授かります。
裸雛は、その名の通り、着物を着ていない裸のひな人形で、2体セットとなっています。
- 裸雛の初穂料(値段):2,000円
縁結び・夫婦円満祈願の方法
1.本宮前の授与所でおもと人形または裸雛を授かる
2.侍者社に行き、入口の柵を押して中に入る ※靴を脱ぎます
3.おもと人形または裸雛の背中に氏名と生年月日、祈願内容などを記入し、神前の所定の場所に人形を奉納して拝礼する

「をもと社百度石」でお百度参り
侍者社の前には、「をもと社百度石」と書かれたお百度石があります。
お百度石とは、境内の定められた区間を100回往復・礼拝して願掛けを行う「百度参り」の目印となる石です。
この石と侍者社の社殿前を往復し、社殿前に到達するたびに願掛けをしながら礼拝をします。
百度参りをしている人にはなかなかお目にかかりませんが、ここぞという時には、人形の奉納と併せて実践してみてはいかがでしょうか。
「侍者社」のお守り
おもと人形や裸雛はもちろん持ち帰っても良いのですが、奉納してしまうと手元には残りませんので、侍者社参拝後に、お守りを授かるのもおすすめです。
恋愛成就の「侍者守」や、良縁祈願の「良縁守」が、本宮前の授与所にて、授与されています。
住吉大社(大阪)のお守りの「種類・効果(ご利益)・初穂料(値段)・授与場所(販売場所)・通販・返納について」
なお、住吉大社の公式ホームページでは、侍者社での縁結びや夫婦円満祈願の後、「恋みくじ」を引いて、神様からのお言葉を頂戴することが推奨されています。
また、おもと人形のミニチュア版の中に恋みくじが入った、「おもとみくじ」も授与されています。
大凶が多いって本当!?住吉大社のおみくじの「吉凶の割合(確率)・順番・種類・引ける時間・場所」
「侍者社」の建築様式(造り)と見どころ
侍者社の社殿は、外側の建物(拝所・神饌所)と、拝所奥に安置される「本殿」で構成され、いずれも有形文化財に登録されています。
これらの社殿が建つ位置は、4つの本宮が並ぶ「本宮域」と、その外側の「神館域」との境という、独特な場所です。
本殿
建築様式(造り)
- 木造平屋建
屋根の造り・素材
- 正面入母屋造、背面切妻造、檜皮葺 ※妻入
大きさ
- 正面一間・側面一間、建築面積1.5㎡
本殿は幅・奥行き共に一間の小さな社殿で、正面に7段の階段、その上の左右に脇障子が立てられています。
また、階段上には、高欄付きの縁が巡らされています。
薄暗い中撮影した写真では確認しづらいですが、舟肘木の組み物と、木連格子の妻飾りが施され、屋根には本殿建築ならではの千木と 堅魚木(鰹木)が乗っています。
さらに、本宮(本殿)と同じ形式の懸魚、その他金物で飾られた、神輿のような雰囲気の、きらびやかな社殿となっています。
本殿の足元には、奉納された多くのおもと人形や2対の狛犬が並んでいます。
住吉大社の中で唯一、屋内にある社殿です。
拝所・神饌所
建築様式(造り)
- 木造平屋建
屋根の造り・素材
- 切妻造、銅板葺 ※妻入
大きさ
- 桁行六間梁間三間、 建築面積79㎡
※前三間が神饌所、後三間が拝所
切妻造の建物の妻入りとは、屋根の妻がある面(屋根の斜面が左右に見える面)に出入口がある建物のことです。
侍者社の拝所・神饌所(はいしょ・しんせんしょ)は、一見、屋根の斜面側に出入口がある「平入」に見えますが、これは参拝者が中に入るための出入口であり、本来の出入口は、参拝者の出入口に向かって建物の右側にあります。
つまり、4つの本宮(本殿)と同じく、西側を向いた社殿になっているというわけです。
前方半分が、御祭神へのお供え物を用意するための神饌所であり、本殿が安置される後ろ半分は拝所と呼ばれています。
神饌所に入ることはできません。
拝所の左右に扉が開かれており、本宮域と神館域を結びつける役割を担っています。
神館は結婚披露宴などが開かれる建物で、本宮側からは確認できない出入口は、その神館の庭の方に位置しています。
「侍者社」の場所
画像引用元:住吉大社
侍者社は、本宮が並ぶエリアを囲む瑞垣内、第二本宮の脇にあります。
おもと人形や裸雛は、第三本宮前の「御守授与所」で授与されています。
※大きな境内図はコチラからダウンロードできます※