大阪には、大阪市内の由緒ある7社寺をめぐる「大阪七福神めぐり」があります。
1日で回り切れる手軽な霊場巡礼ですので、霊場めぐりは初めて!という方にもおすすめですよ。
こちらのページでは、大阪七福神めぐりの地図とモデルコース(ルート)、色紙や絵馬、そしてそれぞれの社寺について、ご紹介します。
目次
大阪七福神めぐりとは
七福神めぐりの霊場は、国内に300か所以上あるとされています。
ほとんどが半日程度で回り切れる範囲に霊場が集まっており、行楽気分で気軽にできる巡礼ということで、江戸時代終わり頃には、各所でブームとなっていました。
大阪七福神については、江戸時代の随筆「摂陽奇観(せつようきかん)」の1803年(享和3年)の条に「今年七福神巡拝発起」とあり、この年が始まりとされています。
その後一旦は途絶えるものの、1914年(大正3年)に「浪速七福会」が復興し、その後は「大阪七福神社寺会」に引き継がれて現在に至っています。
大阪市には、「なにわ七幸めぐり」もあります。詳しくは、当サイトの以下のページ↓でご紹介しています。
大阪七福神めぐりができるのはいつ?
大阪七福神めぐりは、正月に限らず、いつでもできます。
七福神めぐりは、もともと、正月、特に松の内と呼ばれる期間中に初詣を兼ねて行い、新年の厄除・開運などを祈願するものでした。
したがって、かつては、松の内の間だけ七福神のお堂を開帳するのが一般的でした。
現在も、松の内期間限定の授与品があったり、期間限定のイベントが開催されるたりする七福神めぐり霊場もありますが、多くの七福神めぐりが1年中できるようになっています。
「思い立ったが吉日」ですよ!
松の内とは
正月に各家庭にやって来る「年神様」の目印または依代(神が宿る場所)になるように飾る門松を出しておく期間で、関東では1月1日から7日まで、関西では15日までとされることが多くなっています。
大阪七福神めぐりに専用御朱印帳・色紙はある?
大阪七福神には、専用の色紙があります。(御朱印帳はありません)
水彩画風の素敵なイラストが入った色紙で、7社寺の御朱印で埋まれば一生の宝物になること間違いなし!
ですが、サイズが大きめ(縦約32cm×横約41cm)です。
これは絵を描く人にはお馴染みのキャンパスなどにはよくある「F6」サイズなのだそうです。
とにかく、七福神めぐりにお出かけの際は、この色紙が入る大きさのバッグを用意するのを忘れないでくださいね!
色紙は、霊場となっている各社寺で購入できます。
- 大阪七福神の色紙の値段:1,500円
- 大阪七福神の御朱印の授与料:各300円
※掛け軸(500円)もあります。
大阪七福神めぐりには絵馬もある!
御朱印は手持ちの御朱印帳にいただきたいという方には、絵馬を集めるのがおすすめです。
宝船が描かれた「大絵馬」に各社寺でいただくミニサイズの「豆絵馬」をぶら下げていくと、七福神が船に乗り込んだ1枚の絵のように仕上がるというものです。
参拝の記念として、豆絵馬だけを集めてもかまいません。
- 大阪七福神の大絵馬の値段:1,000円
- 大阪七福神の豆絵馬の値段:100円
大阪七福神めぐりの霊場(札所)地図
大阪七福神の霊場は、大阪市内に集まっており、効率よく歩くと、全部で7kmほどの行程となります。
大阪七福神めぐりの回り方(ルート)・所要時間
大阪七福神めぐりには、回る順番や日数に決まりはありませんので、いつからでも、どこからでもスタートできます。
何日かかけてめぐってもかまいませんが、徒歩、自転車、地下鉄などで、1日で一気に回り切ることもできます。
初めに参拝した社寺で色紙を購入したり御朱印を拝受したりする時に、あれば地図もいただくと便利です。
【徒歩】1日でめぐる大阪七福神の回り方
大阪七福神を徒歩または自転車で1日でめぐる場合、北から南に向かうルートがおすすめです。(順番は関係ありませんので、南から北でもかまいません。)
初めの三光神社から最後の四天王寺までの総移動距離は、上掲の地図の案内のように約7kmで、歩くだけならおよそ1時間30分です。
各社寺に参拝し、主な見どころを拝観して、御朱印や絵馬をいただく時間を含めると、すべて回り切るための所要時間は4時間程度ということが多いようですが、中には3時間足らずで終わったという人もいるので、人それぞれです。
歩く距離が長いので、特に、長距離を歩きなれていない方は、休憩しながら、無理せず、ゆっくりと、巡礼を楽しんでください。
なお、社寺の主祭神・御本尊が七福神以外の神・仏である場合は、まず、主祭神・御本尊に、忘れず拝礼してください。
大阪七福神を徒歩でめぐるルート例
三光神社(寿老人)
↓徒歩約20分
長久寺(福禄寿)
↓徒歩約15分
法案寺(弁財天)
↓徒歩約15分
大乗坊(毘沙門天)
↓徒歩約20分
大国主神社(大国神/大黒天)
↓徒歩約7分
今宮戎神社(恵比寿神)
↓徒歩約20分
四天王寺(布袋尊)
- 移動距離:約7km(三光神社から四天王寺まで)
- 所要時間:4~5時間
最寄り駅(四天王寺前夕陽ヶ丘駅・天王寺駅・大阪阿部野橋駅)から四天王寺へのアクセス(行き方)「バス・車(タクシー)・徒歩」
【徒歩・地下鉄】1日でめぐる大阪七福神の回り方
大阪七福神の霊場は地下鉄の駅から近い場所が多いので、すべて歩かずに、一部の区間を地下鉄で移動するのもおすすめです。
こうなると回り方は無限大に考えられますが、例えば、以下のような順番のルートも選択肢の1つになります。
1区間20分以上の徒歩移動がなくなりますので、体力面が不安な人にも安心です。
大阪七福神を徒歩と地下鉄でめぐるルート例
大国主神社(大国神/大黒天)
↓徒歩約7分
今宮戎神社(恵比寿神)
↓徒歩約11分
大乗坊(毘沙門天)
↓徒歩約15分
法案寺(弁財天)
↓徒歩約5分
〇地下鉄(日本橋駅から玉造駅、約10分、230円)
※長堀橋駅にて堺筋線から長堀鶴見緑地線への乗り換えあり
↓徒歩約3分
三光神社(寿老人)
↓徒歩約3分
〇地下鉄(玉造駅から谷町六丁目駅、約1分、180円)
↓徒歩約5分
長久寺(福禄寿)
↓徒歩約5分
〇地下鉄(谷町六丁目駅から四天王寺前夕陽ヶ丘駅、約3分180円)
↓徒歩約10分
四天王寺(布袋尊)
大阪観光のお得なチケット周遊パス
大阪には、地下鉄が乗り放題になるお得なチケット「大阪周遊パス(大阪エリア版)」があります。
観光施設約35か所の入場料無料となる「観光施設入場用バーコード付カード乗車券」と、約25施設・75店舗で割引などの特典が受けられる「TOKU×2クーポン付ガイドブック」が含まれており、四天王寺(中心伽藍・本坊庭園)の拝観料も無料になります。
七福神めぐり以外の周辺観光にも便利ですので、1日かけて大阪を満喫したいという方は、ぜひ、ご活用ください。
四天王寺(大阪)の「拝観時間(開門時間・閉門時間)・拝観料(入場料)・割引・祈祷(祈願)の受付時間と料金・アクセス・駐車場など」
※大阪周遊パスについては、公式ホームページもご覧ください!
大阪七福神めぐりの霊場(札所)一覧
以下では、大阪七福神の各社寺を簡単にご紹介していきます。
拝観時間(御朱印授与時間)は変更になっている場合もありますので、最新情報をご確認ください。
三光神社(寿老人)
三光神社(さんこうじんじゃ)は、西暦400年頃と推定される第18代反正天皇(はんぜいてんのう)の御代の創建と伝えられています。
御祭神は天照大神ほか2柱です。
大坂の陣の時、真田信繁(幸村)が大坂城からこの地への抜け穴を掘ったと言われ、今もその穴が社殿の下に残っているということで、現在では、幸村ゆかりの神社として知られています。
大阪七福神の札所は、境内にある末社「武内宿禰社」です。
武内宿禰(たけしうちのすくね・たけうちのすくね)は、『古事記』や『日本書紀』に登場する伝説上の忠臣で、長寿であったことから、寿老人(じゅろうじん)と同一視されているため、七福神の札所になったようです。
境内には、真田幸村像や、寿老人像もあります。
三光神社の拝観情報
- 御朱印授与時間:9時30分~16時
- 拝観料:無料
三光神社の住所・お問い合わせ先・アクセス
- 住所:大阪市天王寺区玉造本町14-90
- 電話番号:06-6761-0372
- ホームページ:http://www.sankoujinja.com/
- アクセス:
JR環状線「玉造駅」から徒歩約5分
地下鉄長堀鶴見緑地線「玉造駅」2出口から徒歩約3分 - 駐車場:なし
長久寺(福禄寿)
長久寺(ちょうきゅうじ)は、1579年(天正7年)、淀殿の命令で、豊臣秀頼の武運長久を祈るために建立された、日蓮宗の寺院です。
豊臣家の家臣だった片桐且元(かたぎりかつもと)、大野治長(おおのはるなが)が取り仕切り、大坂城の余材を用い建てられたそうです。
戦後の都市計画の一環で道路が拡張されるなどして境内が狭まり、現在は、1963年(昭和38年)に再建された、コンクリート造りのビルとなっています。
淀殿の時代からあった木造の本堂や大門などは、奈良・西之京にある薬師寺に移築されました。
内部には、福禄寿(ふくろくじゅ)が祀られています。
長久寺の拝観情報
- 御朱印授与時間:9時~17時
- 拝観料:無料
長久寺の住所・お問い合わせ先・アクセス
住所:大阪市中央区谷町8-2-49
アクセス:
地下鉄谷町線「谷町9丁目駅」2番出口より徒歩9分
地下鉄谷町線「谷町6丁目駅」4番出口より徒歩5分
駐車場:なし
法案寺(弁財天)
法案寺(ほうあんじ・法案寺南坊)は、約1400年前に、聖徳太子が建立したと伝えられる寺院です。
かつては、大阪市天王寺区の生國魂神社(いくくにたまじんじゃ)の神宮寺(付属寺院)だったと言われています。
移転を繰り返した後、現在地に落ち着いたのは1883年(明治16年)でしたが、大阪大空襲で本堂・諸堂を焼失しました。
その間も、平安時代の作とされる聖観音立像(重要文化財)は守り抜かれ、現在は元旦から1週間開帳されています。
本堂に祀られる歓喜天(かんぎてん)は「日本橋の聖天さん」と呼ばれ、「福・寿・愛」のご利益があるとして信仰されています。
七福神の1柱、弁財天も祀られ、お守りも授与されています。
法案寺の拝観情報
- 御朱印授与時間:10時~16時
- 拝観料:無料
法案寺の住所・お問い合わせ先・アクセス
- 住所:大阪市中央区島之内2-10-14
- 電話番号:06-6211-4585
- アクセス:地下鉄堺筋線「日本橋駅」7出口から徒歩約5分
- 駐車場:なし
大乗坊(毘沙門天)
大乗坊(だいじょうぼう)は、弘法大師(空海)が創建したと伝わる、真言宗の寺院です。
正式名称は、寳満寺(ほうまんじ)大乗坊と言います。
創建当初は四天王寺の東北側の牛崎(筆ヶ崎)にありましたが、織田信長の焼き討ちから逃れ、現在地に再興されました。
江戸時代には信者の寄進により隆盛し、以来、「長町の毘沙門さん」として親しまれてきました。
現在は賑やかな難波の街の一角に、まるで1件の民家のように静かにたたずんでいます。
秘仏の御本尊「毘沙門天王立像」は、かつては60年に1回のみの開帳でしたが、現在は、毎年5月と11月の第2日曜日に開帳されています。
御前立(おまえだち)の立像は肩に鬼の面が彫り込まれている個性的な毘沙門天像で、南北朝時代の作品と推定され、重要文化財に指定されています。
御前立(御前立本尊・前立仏)とは
御本尊が秘仏である場合に、普段から参拝者が目視して拝めるように祀られた、代わりの本尊。
大乗坊の拝観情報
- 御朱印授与時間:6時~18時
- 拝観料:無料
大乗坊の住所・お問い合わせ先・アクセス
- 住所:大阪市浪速区日本橋3-6-13
- 電話番号:06-6643-4078
- アクセス:南海・近鉄「難波駅」東出入口1から徒歩約10分
- 駐車場:なし ※寺の隣に民営駐車場あり
大国主神社(大国神/大黒天)
大国主神社(おおくにぬしじんじゃ)は敷津松之宮(しきつまつのみや)の摂社で、「木津の大国さん」と呼ばれて親しまれ、周囲の町名や駅名の由来にもなっている神社です。
敷津松之宮の創建年は定かではありませんが、神功皇后が松の木を3本植え、素盞嗚尊(すさのおのみこと)を祀って航海安全の祈願をしたのが始まりと伝わります。
その後、1744年(延享元年)に出雲大社の大国主命(おおくにぬしのみこと)を勧請して摂社・大国主神社が建立されました。
主祭神の「日出大国主」は、大国神が太陽を抱いた、珍しい像です。
宝くじが当たるなど金運アップの霊験あらたかということで人気があり、社務所で種銭を授かって財布に入れると良いとされています。
大黒さまと大国さまは同じ神?
もともと、七福神の「大黒天」と大国主命(大国神)は別の神ですが、インドから「マハーカーラー」という神が日本に伝わり、「マハー」を「大」、「カーラー」を「黒」と訳し、「大黒天」と命名したことから、音が同じ「大国神」と混同し、同一視されるようになったと言われています。
大国主神社の拝観情報
- 御朱印授与時間:9時~16時
- 拝観料:無料
大国主神社の住所・お問い合わせ先・アクセス
- 住所:大阪市浪速区敷津西1-2-12
- 電話番号:06-6641-4353
- アクセス:地下鉄御堂筋線/四つ橋線「大国町駅」2出口から徒歩すぐ
- 駐車場:なし
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今宮戎神社(恵比寿神)
「えべっさん」と呼ばれて親しまれてきた今宮戎神社(いまみやえびすじんじゃ)は、聖徳太子が四天王寺を建立した際、西側の鎮守として創建されたと伝えられています。
天照大御神(あまてらすおおみかみ)、事代主命(ことしろぬしのみこと)ほか3柱を御祭神としていますが、特にえびす神として知られる事代主命が、大阪の漁業関係者や商人の信仰を集めてきました。
普段は静かな境内ですが、1月9日から11日にかけて催される例大祭「十日戎」の期間中は、約100万人の参拝者が訪れ、1年の商売繁盛を祈願します。
ちなみに、「えびす」には恵比寿、恵比須、戎など、様々な漢字があてられますが、どの漢字も同じえびす神を指します。
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四天王寺(布袋尊)
四天王寺には、「四天王式伽藍配置」で有名な中心伽藍の他にも、多くのお堂・建造物がありますが、布袋尊を祀る「布袋堂」は、西大門(極楽門)の外側にあります。
四天王寺の布袋堂は、「乳のおんばさん」「乳布袋」として親しまれており、お乳が良く出るように、あるいは、子どもが健康に育つようにといった、乳に関する願いや悩みを持つ、多くの女性が参拝しています。
お堂の前には「なでほてい尊」、お堂の中には「乳布袋尊」と呼ばれる布袋尊像が、それぞれ祀られています。
なでほてい尊はその名の通り撫でて参拝する像で、お腹は招福、担がれた「黄金袋」は財運向上、手に握られたひょうたんは所願(諸願)成就のご利益があるそうです。
四天王寺の布袋堂では、「御乳守(みむねまもり)」という、一風変わったお守りが授与されています。
七福神と七坂をめぐる!「初詣マラニック」って何?
「大阪七福神&天王寺七坂 初詣マラニック&ウォーク」は、2018年1月に初めて開催され、2019年に第2回となるイベントです。
大阪城公園からスタートし、大阪市内の七福神と「天王寺七坂」を組み合わせた約20kmのコースを、走ったり歩いたりしてめぐり、福を授かろうという企画となっています。
伴走者が一緒に走って先導してくれます。
※このイベントでは、時間の関係で、個人による御朱印集めは禁止となっています。
マラニックとは
「マラソン」と「ピクニック」を組み合わせた言葉で、順位やタイムを重視せず、景色や寄り道を楽しみながら、コースに従って走るスポーツ。
天王寺七坂とは
天王寺七坂(てんのうじななさか)は、大阪市天王寺区の夕陽丘地区と呼ばれる地区にある7つの坂。
周辺には江戸時代に大阪城下から移転させられた仏教寺院が多く、他にも著名人の墓や石碑、大阪市内唯一の滝「玉出の滝」などの見どころがあります。
石畳でできた風情漂う細い坂が多く、趣深い景色が散策路としても人気です。
「大阪七福神&天王寺七坂 初詣マラニック&ウォーク」の日程・申込期間など(2019年)
- 開催日:2019年1月6日 ※雨天決行
- 申込期間:2018年6月21日~12月20日
- 参加費:一般3,500円、会員1,500円
※保険代・軽食・ドリンク・参加賞・完走証を含む - 定員:150名
- スタート・ゴール:大阪城公園
- スタート時間:9時30分
お問い合わせ先(NPO法人日本ライフロングスポーツ協会)
- 電話番号:06-755-4166
- ホームページ:https://www.jls-association.com/
マラニック&ウォークのコース(予定)
大阪城(スタート)
↓
大阪城公園周回コース
↓
三光神社(寿老人) → 長久寺(福禄寿)
↓
天王寺七坂(真言坂・源聖寺坂・口縄坂・愛染坂・清水坂・天神坂・逢坂)
↓
四天王寺(布袋尊)
↓
天王寺公園(てんしば)
↓
今宮戎神社(えびす大神) → 大国主神社(大国神) → 大乗坊(毘沙門天) → 法案寺(弁財天)
↓
大阪城公園(ゴール)
【豆知識①】七福神めぐりのご利益とは?
七福神めぐりをすると、「7つの災難から逃れ、7つの福徳を招く」などとされています。
仏教にとって、「7」というのは特別な数字です。
仏教の経典『仁王般若経(にんのうはんにゃきょう)』の中に「七難即滅(しちなんそくめつ) 七福即生(しちふくそくしょう)」という言葉があるためです。
「七難即滅 七福即生」とは、お経を唱えることで人生に待ち受ける七難から身を守り、七福を招くという意味だそうで、7色のものを持つと厄除けになると言われたり、「七福神」という守護神がいたりするのも、この「七難即滅 七福即生」に由来しているのではないかと言われています(諸説あります)。
七難とは:
水難、火災、風の難、盗難、旱害、星の異変、太陽の異変
七福とは:
人望、寿命、大量、清廉、財福、威光、愛敬
七福神めぐりの場合は、お経を唱える代わりに社寺に詣でて、7つの福を得ようというものです。
また、七福神にはそれぞれにご神威(お力)があります。
それぞれの神様に参拝し、ご縁を結ぶことで、各神様独自のお力を借りることができるという、言うなれば二重のご利益が、七福神めぐりにはあるのです。
七福神の「七」の由来~その他の説~
七福神の「七」という数の由来・理由について、『仁王般若経』以外の説をご紹介します。
①竹林の七賢にちなんでいる
竹林の七賢(ちくりんのしちけん)とは、3世紀頃の中国で、貴族官僚でありながら戦乱を嫌って俗世間から離れ、竹林で酒を飲んだり楽器を演奏したりして過ごしたという7人の知識人のことです。
その様子が日本の禅宗の僧侶に好まれ、水墨画のテーマにもなっています。
②「七」は「すべて」を表す
寺院の「七堂伽藍」や「七草がゆ」、「七つ道具」などに付く「七」は、「すべて」、あるいは「十分」「たくさん」などという意味を表す満数であるため、仏教経典にはよく登場します。
満数とは、八雲(やくも)の「八」、百歳(ももとせ)の「百」、千代(ちよ)の「千」などのように、主に仏教において、無限を表す数のことです。
【豆知識②】七福神の名前とご利益、知ってますか?
七福神めぐりについて色々をご説明してきましたが、あなたは七福神それぞれの名前や姿、ご利益をご存知ですか?
以下にイラスト付きでご紹介しますので、ぜひ、チェックしてください!
寿老人(じゅろうじん)
起源と特徴
寿老人の起源は、道教で「生」を司る南極星の化身とされる神です。
頭巾を被り、ふさふさとひげを生やした姿で、巻物を結び付けた杖、不死の霊薬を入れた「瓢箪(ひょうたん)」、災難を祓う「団扇(うちわ)」、不老長寿を表す「桃」などを持っています。
また、長寿を象徴する玄鹿(雄鹿)を従えた姿で描かれます。
ご利益
延命長寿、富貴(冨と地位があること)など
福禄寿(ふくろくじゅ)
起源と特徴
福禄寿も、寿老人と同じ南極星の化身の神、または、中国にいた数千歳を自称する道士がモデルとなったと言われています。
その名の通り、福(幸福)・禄(俸禄)・寿(寿命)を備える神とされています。
長い頭ににこやかな微笑みをたたえた表情の翁で、杖には寿老人と同じように巻物が付いていたり、瓢箪がぶら下がっていたりもします。
また、長寿の象徴である鶴を従えていることもあります。
寿老人と混同される場合もあります。
ご利益
招福、高禄(富・身分)、長寿、人徳など
弁財天(べんざいてん)
起源と特徴
七福神唯一の女神で、ヒンドゥー教の「サラスヴァティー」という川を神格化した神が起源とされています。
元々は水や農耕の神でしたが、日本では、水の流れを美しい音楽に見立てて音楽や芸能、更には言語、知恵、財運などを司るとされ、「弁才天」「弁財天」などと表記されます。
ご利益
芸能上達、知恵、学業成就、財運、農耕、豊穣など
毘沙門天(びしゃもんてん)
起源と特徴
元はヒンドゥー教のクーベラという武神で、四天王の多聞天と同じ神です。
革製の甲冑で武装した姿で描かれ、右手に仏敵を打つ宝棒、左手に宝塔を持ち、財宝や富貴を司り、人々に福徳(幸福と財産)を授けるとされています。
足の下に邪鬼を踏みつけていることもあります。
ご利益
福徳増進、富貴など
大黒天(だいこくてん)
起源と特徴
大黒天の起源は、ヒンドゥー教の破壊神・シヴァ神の化身「マハーカーラ神」です。
この「マハーカーラ」が日本語で「大黒(だいこく)」と訳されたことから、日本古来の「大国主命(おおくにぬしのみこと)」の「大国(だいこく)」と混同し、同一視されるようになりました。
仏教では神通力で仏法を守る守護神となり、大日如来の化身とも言われます。
頭巾を被り、ほしいものを出してくれる打出の小槌を持ち、七宝(しちほう)と呼ばれる宝を入れた大きな袋を担いでおり、米俵を抱えたり、米俵の上に乗ったりした姿で描かれます。
ご利益
金運向上、商売繁盛、五穀豊穣など
恵比寿(えびす)
起源と特徴
えびす様を祀る神社には、祭神を、イザナミ・イザナギの間に生まれた「蛭子(ひるこ)」とするものと、大国主の息子「事代主命(ことしろぬしのみこと)」とするものがありますが、どちらにしても、七福神の中で唯一の日本出身の神です。※今宮戎神社の祭神は事代主命です。
初めは海の神でしたが、次第に海の幸を司る市場の神となり、更には商売繁盛の神として信仰されるようになりました。
烏帽子を被り、狩衣(かりぎぬ)をまとって、左手に鯛、右手に釣り竿を持った姿で描かれます。
ご利益
商売繁盛、豊漁、航海安全、五穀豊穣など
布袋尊(ほていそん)
起源と特徴
9世紀末から10世紀にかけて中国・唐に実在したとされる伝説的な僧・釈契雌(しゃくかいし)が、布袋尊のモデルとされています。
釈契雌は、弥勒菩薩の化身とされ、吉兆の予見を得意としたといいます。
穏やかで親切な性格で、大きな袋に宝物を入れて持ち歩き、信仰心の強い人に分け与えた、あるいは、施しを受けたものを袋に入れていたとされ、その袋を背負った姿から、「布袋」と呼ばれました。
七福神の布袋尊は大きなお腹で、丸い顔には笑みをたたえ、「堪忍袋」とも呼ばれる袋を担いでいます。
この袋は心の広さを表すとされ、布袋尊の人格の象徴とも言われています。
手には、団扇や杖を持っていることもあります。
ご利益
笑門来福、家運隆盛、商売繁盛、家庭円満、夫婦円満、子宝など